<   2006年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧

 

ターミナル ★☆

ある男が、空港の外に出る事も自分の国に帰る事もできずに空港に住み着くはめになるという映画「パリ空港の人々」を、ハリウッドでリメイクしたものと思われるが、ストーリーや設定がまるで違う。「パスポートがないために自国に入国できなくなったフランス人」と「クーデターで国がなくなってしまった○※△人」とでは、あまりに違いが大き過ぎる。まさに似て非なるものだ。
パリ空港の人々では、「空港」というどの国にも属さない場所に暮らす人々を描く事で、「国境とは何か」「国とは何か」を深く問いかけているが、本作では、たまたま事件にまきこまれた人間がいろんな人の親切に触れながらなんとか生きていくといった類いの話を、ただ「空港」を舞台にしというだけで、そこが「空港」である必然性が薄いのだ。だったらいっそ「ホームアローン」の空港版でも作ればよかったじゃないか。

「パリ空港の人々」を見たときには、「空港の中には、どの国にも属さないスペースというものがあって、地図でいえばそれはまるで国境という1ミリの線の上のことなんだ、と、なんだか目から鱗が落ちた気がした。最近、Google Earthで宇宙から撮影した地球の映像を見たときに「そには国境なんてものは写ってない」、国境なんてものは人間たちが勝手に作り上げた不安の象徴、つまりは幻想に過ぎないのだと、改めて悟ったときの衝撃にも似たものがあったのだけれど。
[PR]

by kanai_77 | 2006-04-30 16:53 | タ・ナ行  

コラテラル ★★★

いい映画。全編を通して、音楽も映像もどこかクラシックで美しく、そして切ない。
巨大な街L.A.で、地道に生きる黒人のタクシー運転手マックスと、孤独で冷徹な白人の殺し屋ヴィンセント。ヴィンセントがターゲットを一人殺すたびに、動揺したり、悲しんだり、嘆いたり、逃げたりするマックス。「なぜ殺したのか?」と質問を投げかけられるヴィンセントは、さながらセラピーをうけているかのように、過去の自分を思い出させられる。そう、二人は、かつて捨てたはずの自分、否定したはずの自分に出会ったのだ。重要なのは「どちらが善でどちらが悪か」ではなく、「どちらを否定できるか、どちらを肯定できるか」なのだ。

その運命的な出会いで、半ば自暴自棄になっていくヴィンセント。自分のふがいなさを突きつけられつつも、都会で生きるちっぽけな人間を守りたい、という単純な思いを貫こうとするマックス。クライマックスでガラス越しに打ち合う二人。生き残ったのは……。


車の前を横切るコヨーテ。
黙って見つめていた二人は、そのとき何を思ったのか。
都会の夜に生きる人間。
巨大な街ロスでは、美しく広がる夜景のほんの一部、
数秒の瞬きでしかない。
それでも美しく生きようとするちっぽけな人間を、
美しいロスのトワイライトが包み込んで……。
[PR]

by kanai_77 | 2006-04-25 01:19 | カ行  

バットマンビ ギンズ ★★★

おもしろかった。偽悪的な主人公のキャラクターがよい。漫画原作とはいえ、なかなか芯がしっかりした設定になっていると感じた。何より傑作なのは執事役のユーモアある台詞。
「こういうときのために腕立てしてたんじゃないんですか?」には思わず声を出して笑ってしまった。アクションはカット割りが多くて今イチ見応えに欠けるけど。
[PR]

by kanai_77 | 2006-04-23 23:28 | ハ行  

シカゴ ★★★☆

本作がアカデミー賞を受賞してから数年経ってから観ましたが、やはり、作品賞受賞作だけのことはありますね。非常に楽しめました。騙し合い、出し抜き合いといったストーリーが、ショーのエンターテイメント性とあいまってテンポよく展開し、思わず引き込まれていく。その感覚はまるで“誤って劇場の舞台裏に飛び込んでしまった”かのよう。人を浮き立たせる様々なもの、ゲーム、興奮、熱狂のようなものが全編を通して「テーマ」となって溢れているためか、ライブでショーを観たときのようなエキサイティングな体験ができる映画。
それにしても、レニーゼルウィガーは改めて素晴らしい女優だ。たった半年であんなに体重を落とせるだけでもプロだけど!存在感のある女優ですね。

  
[PR]

by kanai_77 | 2006-04-23 00:30 | サ行