シンデレラマン ★★

私は、ボクシング含め「格闘技」が嫌いだ。柔道や剣道には「一本」とったら勝ちというルールがあり、相撲にも「土がついたら負け」というルールがあるが、「格闘技」の勝敗はカウント、つまり相手が立ち上がれなくなるほど痛めつけなければ、勝負がつかない。つまりエンターテイメントの度を超していると思うのだ。相手の人間を破壊し、ときには死に至らしめる事さえあるにもかかわらず、命をかけて戦い、客たちはそれを観て歓声を上げる。その神経が理解できない。そういいながらも、本作にはいいところもけっこうあった。妻のメイが、金だけが目当てで夫を勝負にけしかけていると思っていたマネージャーの家にいってみると、家具がすべて売られていたというエピソードや、不況で仕事とともに自信を失いナヨっとなっていた男たちが、ジムの試合に夢中になりなけなしの金をかけるシークエンスなど。荒んだ世の中でも父親としての役目を果たそうとする姿は、どこかライフイズビューティフルっぽい。そこは敢えて「たいして可愛くない子役」を使って欲しかった。どこまでが実話に即したエピソードなのかは知らないが、貧しい食生活で、ロクなトレーニングもしていなかったジムが、家族を守るという精神力だけでチャンピオンにまでなってしまうとは、まさにシンデレラストーリーである。

余談だが、パンチを食らわした瞬間に腕を骨折するシーンで、レントゲン映像のように骨が透けて見えるという演出には、「タイムボカンシリーズかよッ」と思わず突っ込んでしまいました。

ストーリー
ジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)の人生は、希望に満ちていたはずだった。前途有望なボクサーとして、タイトル奪取は時間の問題。美しい妻メイ(レネー・ゼルウィガー)と、天使のような3人の子供に恵まれ、家には笑い声が絶えることがなかった。だが、1929年、右手の故障がきっかけで勝利に見放されたジムは引退を余儀なくされる。時を同じくして“大恐慌”がアメリカの経済を壊滅状態にし、人々の生活は困窮した。国中に溢れかえる失業者の一人となったジムは、過酷な肉体労働でわずかな日銭を稼ぐが、そんな仕事にすらありつけない日の方が多かった。
出口の見えない不況の中で、男たちはプライドを失い、自分自身を失っていったが、ジムは諦めなかった。子供を預けようという妻メイの苦渋の決断にも耳を貸さず、彼は家族が一緒にいることに固執する。全てを失った今、家族だけが彼の全て、彼が生きるただひとつの理由だったからだ。人生の転機は、古くからの友人によってもたらされた。ボクサー時代のマネージャーだったジョー・グールドが、新進ボクサーとの試合の話を持ちかけてきたのだ。勝ち目などない、一夜限りのカムバック。だが、その報酬は今のブラドック家にとって大きな救いだった。夫の身を案じる妻をふりきり、ジムは再びリングに立つ。そしてそれは、アメリカ中を希望で包み込む“奇跡”の序章となるのだった。
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by kanai_77 | 2006-08-31 17:40 | サ行  

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