コラテラル ★★★

いい映画。全編を通して、音楽も映像もどこかクラシックで美しく、そして切ない。
巨大な街L.A.で、地道に生きる黒人のタクシー運転手マックスと、孤独で冷徹な白人の殺し屋ヴィンセント。ヴィンセントがターゲットを一人殺すたびに、動揺したり、悲しんだり、嘆いたり、逃げたりするマックス。「なぜ殺したのか?」と質問を投げかけられるヴィンセントは、さながらセラピーをうけているかのように、過去の自分を思い出させられる。そう、二人は、かつて捨てたはずの自分、否定したはずの自分に出会ったのだ。重要なのは「どちらが善でどちらが悪か」ではなく、「どちらを否定できるか、どちらを肯定できるか」なのだ。

その運命的な出会いで、半ば自暴自棄になっていくヴィンセント。自分のふがいなさを突きつけられつつも、都会で生きるちっぽけな人間を守りたい、という単純な思いを貫こうとするマックス。クライマックスでガラス越しに打ち合う二人。生き残ったのは……。


車の前を横切るコヨーテ。
黙って見つめていた二人は、そのとき何を思ったのか。
都会の夜に生きる人間。
巨大な街ロスでは、美しく広がる夜景のほんの一部、
数秒の瞬きでしかない。
それでも美しく生きようとするちっぽけな人間を、
美しいロスのトワイライトが包み込んで……。
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by kanai_77 | 2006-04-25 01:19 | カ行  

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