酔いどれ天使 ★★★★☆

三船敏郎の若い頃の荒削りな魅力とエネルギーに満ちあふれた作品。白いスーツに身を包んだ若いヤクザ松永(三船)は、ヤクザ同士の抗争で、手の平にナイフがつきささろうが“へ”とも思わない。しかし肺病を患うそのからだの変化に、死への恐怖を感じている。その矛盾こそが母性本能をくすぐる。白いスーツを真っ赤な血で染め、壮絶な死を遂げるその死に様は、後の菊千代に勝るとも劣らない。黒澤監督はやくざの幹部役だった三船の野獣のようなエネルギー溢れる演技に魅了され、構想を変更したという。その結果、正しい道を示す医師・真田(志村喬)ととの真剣勝負の対峙が映画の見所となった訳だが、やり場のない怒りにありあまるエネルギーをぶちまける若いヤクザというキャラクターは、当時の三船そのものだったのかもしれない。
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by kanai_77 | 2006-01-29 19:04 | マ・ヤ・ラ・ワ行  

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