カテゴリ:カ行( 17 )

 

クラッシュ Clash ★★★

L.A.で起こった2日間をあるクラッシュ(自動車事故)を発端に、関わる人々をまるで鎖を手繰り寄せていくように描いた群像劇。

今やアメリカ国内であっても、「人種差別」というものはタブーとされ、建前上は平等が当たり前かのようになっている。しかしそれは、表面化していないだけで、本当はそれぞれの心の隅でモヤモヤと“くすぶっている”のだ。それに文字通り“油”を注いだのが「クラッシュ」であり、人々が思わず口にする“差別用語”という炎となって表面化するのだ。炎と化した言葉は、それこそ人種の“区別なく”
牙をむき、吐くものと吐かれるものの両方を傷つける。しかしそんな人々の心の中にも“葛藤”とい名の“人間愛”があるのも事実で、“差別”とは、実に割り切れないものなのだと痛感させられた。


10年前にN.Y.にいったとき、ただの旅人である私たちに「黒人には気をつけろ」と必要以上に諭してきた白人のおじさんがいた。彼は心底、私たちを心配していっているように思えた。「48時間」をはじめ、エディマフィの主演映画が真っ盛りのあの頃、もはや白人と黒人の間に差はさほどないものと信じきっていた私は、異なる事実に直面して衝撃をうけた。

その数年後、こんどはL.A.の高級ホテルSで黒人のタクシー白タク運転手が白人のホテルマンに賄賂を渡しているのを目撃した。すっかり不信感を抱いた私たちは、ショッピングモールからホテルに帰る際、ちょっと陰気な黒人の運転するタクシーを拾った。ところが、行き(陽気な中国人のタクシー運転手)と道が違う。すかさず「道が違うんだけど」と鉄格子の入ったガラス越しに文句をいうと、「だったら行きが間違ってたのさ」といわれた。半信半疑のままホテルについてみたら彼がいう通り、行きより帰りの方が料金が安かった。私たちはそこで初めて、彼のいったことを“信じた”のだ。

そういういくつかのリアルな体験がある私でさえ、「人種差別」というものの実態を本当の意味では理解できていない。ほとんどのアメリカ映画の中で、黒人と白人は、たいがい肩を並べて仕事をしたり活躍したりしているから、アメリカにいったことがない人であれば、それが現実だと思い込んでいる人は少なくないはず。そう思った。

そんな体験をする度に「人種差別」についての捉え方を変遷してきた私は、この「映画」を観て、またしても、その捉え方の甘さを痛感した。
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by kanai_77 | 2006-07-30 14:34 | カ行  

キングコング KINGKONG ☆

リメイクに名作なしの典型みたいな作品。ロードオブザリング同様CGおたく監督のおたく的映像の嵐。恐竜やら巨大な虫やら、意味不明の生き物がいっぱい出てくる。そう、すべての登場人物に「意味」がないのです。「テーマ」なんて会ったものではありません。だから、どんなにすごいシーンをみせられたとしても、ただ映像をつくりたかっただけでしょ、といいたくなります。これは「映画」ではない。ただの「映像」です。
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by kanai_77 | 2006-07-20 14:20 | カ行  

キッチンストーリー ★★★


1950年代初頭、ノルウェーの田舎に住む、年老いたひとり暮らしの男イザットのもとへ、スウェーデンの「台所研究所」から“独身男性の台所での行動パターン”を観察するために調査員としてやってきたフォルケ…。「口をきいては行けない」という単純な縛りがこんなにも面白い展開(ドラマ)になるとは。いかにも実直そうなフォルケのキャスティングがこの映画の成功に大きく貢献したように思える。キャンピングカーやはしごなど、セットや美術、伏線の張り方にもなかなかのセンスがあり、ほどよくコミカルでキュートな印象。心のどこかに余韻を残す映画でした。
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by kanai_77 | 2006-05-05 23:36 | カ行  

コラテラル ★★★

いい映画。全編を通して、音楽も映像もどこかクラシックで美しく、そして切ない。
巨大な街L.A.で、地道に生きる黒人のタクシー運転手マックスと、孤独で冷徹な白人の殺し屋ヴィンセント。ヴィンセントがターゲットを一人殺すたびに、動揺したり、悲しんだり、嘆いたり、逃げたりするマックス。「なぜ殺したのか?」と質問を投げかけられるヴィンセントは、さながらセラピーをうけているかのように、過去の自分を思い出させられる。そう、二人は、かつて捨てたはずの自分、否定したはずの自分に出会ったのだ。重要なのは「どちらが善でどちらが悪か」ではなく、「どちらを否定できるか、どちらを肯定できるか」なのだ。

その運命的な出会いで、半ば自暴自棄になっていくヴィンセント。自分のふがいなさを突きつけられつつも、都会で生きるちっぽけな人間を守りたい、という単純な思いを貫こうとするマックス。クライマックスでガラス越しに打ち合う二人。生き残ったのは……。


車の前を横切るコヨーテ。
黙って見つめていた二人は、そのとき何を思ったのか。
都会の夜に生きる人間。
巨大な街ロスでは、美しく広がる夜景のほんの一部、
数秒の瞬きでしかない。
それでも美しく生きようとするちっぽけな人間を、
美しいロスのトワイライトが包み込んで……。
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by kanai_77 | 2006-04-25 01:19 | カ行  

警察日記 ★★☆

若き日の森繁久彌が、駐在所の警察官という役柄で登場する旧作。村の救済所のような存在だった頃の警察所(交番)の毎日を綴った人間ドラマは、昭和版「警察24時」といったところであるが、迷子や窃盗、食い逃げや家出など、様々な人が訪れる中、所長がポケットマネーから金を貸してやったり、警官が迷子の子供を自宅に連れて帰って世話をしたり、今の警察とは考えられないくらい、人情味の溢れるその様子に、羨ましさのようなものを感じてしまった。他にも今や大御所といわれる俳優たちや、すでに他界してしまった名優が共演している。
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by kanai_77 | 2006-03-11 16:19 | カ行  

クリスティーナの好きなこと ☆

ひとことでいうと最低な映画。下ネタ連発なので、家族やカップルで観たら気まずくなる映画です(笑)。笑えるところもあったけど、その9割は失笑でした。日本のトレンディードラマの出来損ないみたい。確信犯だとは思うけど「くだらない」作品の極地です。
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by kanai_77 | 2006-02-11 00:26 | カ行  

カナディアン・エキスプレス ★☆

「その女を殺せ(52)」のリメイクとのことで、ストーリーはよくできているんだと思うけど、キャスティングのせいか演出のせいか、怪しい女にしても、太った男にしても、駅で出迎える警察官2人にしても、けっこう正体を見破れてしまって、「この映画、前にみたっけ?」とデジャブー現象数回。アクションも代役バレバレだし。列車も夜行だから景色も楽しめないし、うーん、そう考えると見所は唯一、列車に乗る前に4WDで林を突っ走るシーンは迫力があったかな。52年の作品の方を観てみたい。

ストーリー:
大物が殺しに関わる現場を目撃してしまった女(A.アーチャー)。彼女に証言者となってもらうべくカナダの山奥に迎えにいった検事(G.ハックマン)は、殺し屋に命を狙われ、命からがらバンクーバー行きの特急に乗り込む。「列車」という動く密室の中で、ヒットマンたちとのかけひきを繰り広げる。
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by kanai_77 | 2006-02-11 00:19 | カ行  

クライム・アンド・ダイヤモンド ★★★

いろいろな映画の要素がちりばめられ、古き良き時代の名画をたくさんみている映画ファンには非常に楽しめる秀作だ。脚本がよくできている。カット割りやワイヤーアクション、CGや特撮といった、現代映画の要素は一切排除され、代わりにあるのは、古き良き時代の名画のような演出……W・ワイラー調のさわやかなロマンス、A・ヒッチコックの小粋なサスペンス、B・ワイルダーのコミカルなギャングたち。あまり話題にならなかったのは、宣伝と予告編がダメダメだった(DVDに入っている予告編は、オリジナル版、日本公開版、ビデオ版とそれぞれ違うが、オリジナル版がいちばんまとも。他の2つは???って感じです)からじゃないかと。

そういうわけで、まさにイガオモ映画。隠れたオススメ作です。

ストーリー:
スとある街のとあるホテルの1室で椅子に縛られた偽造詐欺師のフィンチ(クリスチャン・スレーター)。彼に銃を向けるのは、通称“毒舌ジム”(ティム・アレン)。ギャングから遣われた“映画好きの殺し屋”だ。「かつての映画にはストーリーがあった」と古きよき映画を熱く語る毒舌ジムに、「ストーリーならおれにだってあるさ」と語り始めたフィンチ。刑務所で知り合った奇術師でダイヤ泥棒のマイコー(リチャード・ドレイファス)とともに脱獄する第一幕、“クレティス・タウト”に成りすました為にギャングに命を狙われる第2幕、娘のテス(ポーシャデロッシ)とともにダイヤモンドを取り戻す第3幕……。それは、昔の映画のように展開する。そして、映画のような結末をその目で確かめた毒舌ジムは……。

脚本・監督は、これが実質のデビュー作となるクリス・バー・ヴェル。
原題は「WHO IS CLETIS TOUT ?」
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by kanai_77 | 2006-01-25 00:10 | カ行  

コールド・マウンテン ★★

主人公エイダ(ニコール・キッドマン)とインマン(ジュード・ロウ)が美男美女で思わず釘付けになるけれど、途中から出てくるベル(レニー・ゼルウィガー)や山の未亡人(ナタリーポートマン)の方が演技が光っていて、存在感が大きかったねー。2時間半もの長作で、アメリカ南北戦争を題材にした戦争もの(しかも時代劇)ですが、レニー・ゼルウィガーをはじめとした脇役陣の演技が素晴らしく、最後まで退屈せずに観れました。でもインマンとの再会のシーンと、インマンの死ぬシーンは、もう少し作品としての意味が象徴されるようなシーン(アイディア)にして欲しかったなあと。すごい苦難を乗り越えて出会った割にはちょっとあっさりしすぎ。一夜の契りで子供ができてたってオチは「ターミネーター」かよ(笑)。

ストーリー:
南北戦争末期、南軍兵士として戦場に送られたインマン。重傷を負って病院に収容された彼の脳裏に浮かぶのは恋人エイダの面影だった。彼は死罪を覚悟で脱走兵となり、故郷コールドマウンテンを目指す。道中、戦争の愚かさや恐ろしさを目の当たりにするインマン。エイダと共有した時間や会話はわずかなものだったが、傷ついたインマンにとって、彼女との再会こそが残された唯一の希望だった。一方、戦争の混乱で、秩序も農場もめちゃくちゃになったコールドマウンテンでは、生来お嬢様のエイダが、神父であった父を亡くし途方に暮れていた。そこに現れたのはルビーという女。エイダに農業と逞しく生きる術を教えてくれる。戦牧場の再建に尽力しながら友情を育む二人。ルビーは父との確執を乗り越え 、エイダはついにインマンとの再会を果たす。
戦争と男、農業と女、人を殺す男と、子供を守り育てる母親たる女……、チャールズ・フレイジャーの小説を、壮大なイメージで映像化。
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by kanai_77 | 2006-01-24 01:24 | カ行  

クライシス・オブ・アメリカ ☆

デンゼルワシントン演じる、湾岸戦争中に洗脳をうけた元上官のマルコ少佐が、アメリカ国家の裏に潜む巨大な陰謀に立ち向かう話・・・って、リアリティーもないし、細かいところがきちっとできてない典型的なSFサスペンスの駄作。そもそも体にチップを埋め込むシーンとかがマンガチックだし、そんな重要なチップが目に見えるようなところ(背中の皮膚の裏)に埋め込んであったり、しかもかじって取り出せるような代物だったりする。そうとう無理があるとおもうけど。メルリストリープ演じる女性代議士の演技はなかなかだったけど。最悪なのはDVDに収録されている監督と脚本家のコメント。名作をリメイクするにあたって工夫したところとかを話すんだけど、これが自画自賛の連発で。いってることは「はあ?」となることばかり。そのコメントをみなければ★くらいにしてあげたところだけど、あれを見たら誰だって減点したくなると思うよ。

出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ
         (ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞)
監督:ジョナサン・デミ監督(羊たちの沈黙)
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by kanai_77 | 2006-01-22 16:51 | カ行